オスマン帝国の肖像 絵画で読む六〇〇年史

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  • 定価: (本体円+税)
発売日:
2025年08月10日
判型:
新書判
ページ数:
296
ISBN:
9784040825205
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オスマン帝国の肖像 絵画で読む六〇〇年史

  • 著者 小笠原 弘幸
  • 定価: 円 (本体円+税)
発売日:
2025年08月10日
判型:
新書判
ページ数:
296
ISBN:
9784040825205

史書の中の絵画に描きこまれた、覇業と衰亡の600年史を紐解く!

イスラムを愛しながら、西洋文化を取りこむ
帝国の欲望を天才たちは写生した――

血統を証する系譜書、武功を残す遠征記、君主を寿ぐ祝祭の書など、史書の重要な一部として、オスマン帝国の事跡を記録したのが緻密な細密画や洋画の名品だった。古都コンスタンティノープルを征服し、メッカを版図に収めて600年間に渡って世界に名を轟かせた「尚武の国」では、東西の文化が混交した独自の世界が花開く。肖像画が禁止され磨かれたイスラムの伝統的な文様と、ルネッサンスなど西洋の文化潮流とを余さず取り込んだ唯一無二のオスマン絵画の世界。その絵筆は、君主たちの覇業と衰亡をどのように描いてきたのか? 東西文明の境で紡がれた知られざる絵画史を第一線の研究者が綴る。

◆コンスタンティノープルの征服王メフメト二世は西洋絵画を愛好した
◆立法王スレイマン一世治世の世界地図にはアメリカ大陸も描かれている
◆1922年、帝国最後のカリフは洋画家だった

★★「オスマン帝国の名画」カラー口絵収録★★


【目次】
はじめに――オスマン帝国を描く

第一章 イスラム教と絵画の複雑な関係
第二章 帝国の誕生――伝統的細密画とルネサンス絵画〔15世紀〕
第三章 古典 期細密画の確立――宮廷工房の絵師たち〔16世紀〕
第四章 チューリップ時代――多様化と大衆化〔17-18世紀〕
第五章 近代と改革――洋画の黎明〔19世紀〕
第六章 帝国の終焉――黄昏に花開く美術界〔20世紀〕
おわりに――トルコ共和国を描く
イスラムを愛しながら、西洋文化を取りこむ
帝国の欲望を天才たちは写生した――

血統を証する系譜書、武功を残す遠征記、君主を寿ぐ祝祭の書など、史書の重要な一部として、オスマン帝国の事跡を記録したのが緻密な細密画や洋画の名品だった。古都コンスタンティノープルを征服し、メッカを版図に収めて600年間に渡って世界に名を轟かせた「尚武の国」では、東西の文化が混交した独自の世界が花開く。肖像画が禁止され磨かれたイスラムの伝統的な文様と、ルネッサンスなど西洋の文化潮流とを余さず取り込んだ唯一無二のオスマン絵画の世界。その絵筆は、君主たちの覇業と衰亡をどのように描いてきたのか? 東西文明の境で紡がれた知られざる絵画史を第一線の研究者が綴る。

◆コンスタンティノープルの征服王メフメト二世は西洋絵画を愛好した
◆立法王スレイマン一世治世の世界地図にはアメリカ大陸も描かれている
◆1922年、帝国最後のカリフは洋画家だった

★★「オスマン帝国の名画」カラー口絵収録★★


【目次】
はじめに――オスマン帝国を描く

第一章 イスラム教と絵画の複雑な関係
第二章 帝国の誕生――伝統的細密画とルネサンス絵画〔15世紀〕
第三章 古典 期細密画の確立――宮廷工房の絵師たち〔16世紀〕
第四章 チューリップ時代――多様化と大衆化〔17-18世紀〕
第五章 近代と改革――洋画の黎明〔19世紀〕
第六章 帝国の終焉――黄昏に花開く美術界〔20世紀〕
おわりに――トルコ共和国を描く

※画像は表紙及び帯等、実際とは異なる場合があります。

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もくじ

はじめに――オスマン帝国を描く

第一章 イスラム教と絵画の複雑な関係
 1 なぜイスラム教において絵画は避けられたのか
 2 ムスリム諸王朝で発展する細密画
◆コラム1 預言者ムハンマドの肖像――顔を描くか、描かないか

第二章 帝国の誕生――伝統的細密画とルネサンス絵画〔15世紀〕
 1 アレクサンダー大王とともに生まれた細密画
 2 西洋文化を愛した征服王メフメト二世
 3 ヴェネツィア画家ジェンティーレ・ベッリーニとオスマン絵師
◆コラム2 ベッリーニ《メフメト二世》の行方と真贋

第三章 古典 期細密画の確立――宮廷工房の絵師たち〔16世紀〕
 1 描かれる壮麗王スレイマン一世の時代
 2 王書執筆官と宮廷工房絵師――大作を産む名コンビ
 3 次々と生まれる古典期の大作
◆コラム3 ノーベル賞作家オルハン・パムクが叙述する細密画

第四章 チューリップ時代――多様化と大衆化〔17-18世紀〕
 1 嗜好が変容、民衆も愛好
 2 色彩の絵師レヴニー
 3 細密画、最後のきらめき
◆コラム4 壁画の流行

第五章 近代と改革――洋画の黎明〔19世紀〕
 1 宮廷画家はキリスト教徒
 2 銃ではなく筆をとって――軍人画家の描いた風景
 3 美術と考古学を支えた巨人オスマン・ハムディ
◆コラム5 《メフメト二世のコンスタンティノープル入城》を描いたのは誰か?

第六章 帝国の終焉――黄昏に花開く美術界〔20世紀〕
 1 新時代を切り開いた美術学校と画家協会
 2 第一次世界大戦で生まれたトルコ印象派
 3 女性画家たちの挑戦
◆コラム6 オスマン帝国の「裸体画論争」

おわりに――トルコ共和国を描く

「オスマン帝国の肖像 絵画で読む六〇〇年史」感想・レビュー
※ユーザーによる個人の感想です

  • イスラムを愛しながら西洋文化を取りこむ帝国の欲望を天才たちは写生した。史書の中の絵画に描きこまれた覇業と衰亡の600年史を紐解く1冊。血統を証する系譜書、武功を残す遠征記、君主を寿ぐ祝祭の書など、偶像崇拝 イスラムを愛しながら西洋文化を取りこむ帝国の欲望を天才たちは写生した。史書の中の絵画に描きこまれた覇業と衰亡の600年史を紐解く1冊。血統を証する系譜書、武功を残す遠征記、君主を寿ぐ祝祭の書など、偶像崇拝の制約の中で発展した細密画は、単なる装飾ではなく、帝国の威光や歴史を記録する重要な手段で、肖像画が禁止され磨かれたイスラムの伝統的な文様と、ルネッサンスなど西洋の文化潮流とを余さず取り込んだオスマン絵画の世界は近代化の波とともに洋画が台頭し、軍人や女性画家の登場など新たな動きが見られるのも興味深いですね。 …続きを読む
    よっち
    2025年09月06日
    25人がナイス!しています
  • ヨーロッパならいざ知らず、イスラーム世界を「絵画で読み解く」事が可能なのか、しばし疑いなら読み始める。なるほど、絵画=洋画となるのは19世紀以降で、それ以前は細密画がメインとなる。細密画とは写本(本書で ヨーロッパならいざ知らず、イスラーム世界を「絵画で読み解く」事が可能なのか、しばし疑いなら読み始める。なるほど、絵画=洋画となるのは19世紀以降で、それ以前は細密画がメインとなる。細密画とは写本(本書では手稿本と表記)の挿絵のこと。イスラム教の厳しい戒律(偶像崇拝の禁止)を足枷としながらも、発展したオスマン絵画を追いかける。ただ、西洋画を見慣れた身としては、そっちにぐっと寄せた近代以降の作品に魅力を感じてしまう。 …続きを読む
    ジュンジュン
    2025年10月28日
    11人がナイス!しています
  • オスマン帝国の絵画というなんともニッチなテーマの一冊。偶像崇拝がご法度のイスラム圏の国ながら、ペルシャ由来の細密画の影響や西洋のルネサンス絵画に刺激を受けながら独自の発展を遂げた歩みはなかなか興味深い オスマン帝国の絵画というなんともニッチなテーマの一冊。偶像崇拝がご法度のイスラム圏の国ながら、ペルシャ由来の細密画の影響や西洋のルネサンス絵画に刺激を受けながら独自の発展を遂げた歩みはなかなか興味深い。タンジマートに始まる近代化政策の中で、軍事と並んで美術も西洋化が急務とされたため、軍人が洋画家として活躍したとかは面白いエピソード。美術史の専門的な内容に深入りするのではなく、オスマン帝国史とリンクさせる平易な語り口は、様々な切り口からオスマン帝国の魅力を紹介する著者の着眼点の良さを示している。 …続きを読む
    MUNEKAZ
    2025年10月12日
    9人がナイス!しています

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